ハスの花びら揺れている

 

 

大学の授業の中で俳句をはじめとする日本の詩歌を取り上げることがあります。私が講義するだけでなく、学生にも実際に作らせ、鑑賞します。一人の学生が次のような俳句を作ってくれました。

 

水の上ハスの花びら揺れている

 

夏の強い風。池に咲いたハスの花がいっせいに揺れています。大きな花は大きく、小さな花は小さく。ピンクの花、緑の葉。それらが青い水面をも揺らします。いろいろな動きが入り混じり、にぎやかな絵ができあがります。

 

ハノイの北にあるホータイ(西湖)はハスの名所です。毎年6月から7月にかけてが見頃です。花は朝早くつぼみを開き、昼頃にはまたしぼんでしまいますから、人々は早朝に出かけ、写真を撮ったり、ハス茶を味わったりします。

 

 

ベトナム人にとってハスは特別です。ハスは泥の中から茎を伸ばし、大きなピンクの花を咲かせます。それはベトナム人がどんなに苦しい環境にあっても正しく生きる姿を表します。ほのかな香りはベトナム女性の控えめな美しさを表します。湖の周辺は開発が進んでいますが、いつまでもこの美しい景色が失われないよう願っています。